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東京地方裁判所 平成2年(ワ)14678号 判決

東京都大田区上池台四丁目四〇番五号

原告

株式会社学習研究社

右代表者代表取締役

沢田一彦

右訴訟代理人弁護士

黒沢雅寛

桒畑瑞穂

東京都渋谷区恵比寿南二丁目八番二号

被告

株式会社学研映像制作室

右代表者代表取締役

原田英男

右訴訟代理人弁護士

荒竹純一

主文

一  被告は、「株式会社学研映像制作室」の商号を使用してはならない。

二  被告は、昭和五九年一〇月一五日東京法務局渋谷出張所において登記した商号「株式会社学研映像制作室」の抹消登記手続をせよ。

三  訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

主文同旨。

第二  事案の概要

一  本件は、原告が、原告の商号の略称である「学研」の表示が、自己の営業を表示するものとして周知であるとして、「株式会社学研映像制作室」の商号を用いて営業を行っている被告に対し、不正競争防止法一条一項二号に基づき、右商号の使用差止め等を求め、これに対して、被告が、右商号の使用について原告の許諾を得ているとして争っている事案である。

二  争いのない事実及び証拠上認められる事実

1  原告は、昭和二二年三月三一日に設立され、図書、雑誌、教科書その他印刷物の開発、製作及び販売等を目的とし、現在は資本金一八○億五二〇二万円余の東京証券取引所市場第一部上場会社であって、年間売上高は一三〇〇億円に及び、出版部門では、学年別学習雑誌、各種単行本、文学全集の製作・販売を、映像部門では、各種のPR映画、ビデオソフトウエァ、テレビコマーシャルフィルム、教育映画の企画・製作等を行っている。(原告が東京証券取引所市場第一部上場会社であることは争いがない。甲一、二九の一、弁論の全趣旨)

2  原告は、設立以来、新聞・ラジオ・テレビ等において販売する商品等の宣伝広告をする際には、原告の商号の略称である「学研」の表示を用いており、また販売する書籍・雑誌等全ての商品に「学研」「Gakken」「ガッケン」等の登録商標を使用し、映画製作の分野においても、「学研映画」の名称で映画を製作し、更に原告の多くの子会社も、原告と関連を有する会社であることを明らかにするために、その商号中に「学研」の表示を使用しているのであって、「学研」の表示は、現在原告の営業であることを示すものとして全国的に広く認識されている。(甲一ないし一〇、一六の一ないし八、二九の一、弁論の全趣旨)

3  被告は、昭和五四年九月一一日、商号を「株式会社学研映像制作室」(本件商号)とし、目的を各種産業映画、ビデオ、スライド、テレビコマーシャルの企画制作、録音テープの企画制作、出版物の企画制作等として設立された会社である。被告は、昭和五四年一一月二日、その商号を「株式会社映像文化社」に変更し(同月二八日登記)、更に同年一二月三日、再び本件商号に変更した(同月五日登記)。被告は、現在、本件商号を用いて、テレビコマーシャルフィルムの企画・制作、各種PR・産業映画の企画・制作等の事業を行っている。(いずれも当事者間に争いがない)。

三  本件の争点およびそれに関する当事者の主張

本件の争点は、本件商号を使用するについて原告の承諾を得ているとの被告の抗弁が認められるか否かである。

1  被告の主張

(一) 被告代表者の原田英男は、昭和五二年二月、原告に入社し、原告の映像局映像システム部に配置され、PR映画の営業とプロデュサーの仕事を担当していたが、昭和五四年八月に至って、右映像システム部が廃止されることになり、原田も原告からの退社を余儀なくされた。原田は、原告を退社する際、原告の社員として、既に、関西電力からPR映画(森づくりの映画)の製作を受注していたために、右案件を如何に処理するかが原告内部で問題となった。すなわち、原告は、映像局映像システム部を廃止することは決めたものの、既に、受注を受けていた映画製作をその信用上、放り出すわけにもいかず、その処理に頭を痛めていた。

(二) 原告の映像局映像システム部長である石川茂樹は、原田に対して、「既に、株式会社学習研究社で受けた契約を、今更、一方的に破棄するわけにはいかない。原田さんは、独立して会社を設立する意向を持っているようなのでお願いがあるが、社名を『学研』を含む会社を設立してくれないか。そして、関西電力のPR映画の製作を継続して、この設立した会社の名で行ってくれないか。但し、この契約は、原告が受注した仕事なので、受注額の一〇パーセントを原告に入れてほしい。」旨依頼した。

石川の原田に対するこの申出は、〈1〉原告は、「学研」を含む商号の会社を設立することを原田に依頼したこと、〈2〉原告が、原告において受けた注文を事実上「学研」を含む商号の会社に履行させ、取引先に対しては、右会社を自己の子会社もしくは関連会社として説明して、原告会社の信用を維持すること、〈3〉原告は、自社の信用を維持しながら、受注額の一〇パーセントの利益を受けること、この三つの意味を含むものであった。

(三) 原田は、原告の世話になったことを考慮し、また、自己の担当取引先との関係が円滑に処理されることを望んで、右申出を承諾した。その際、原田は、今回設立する会社について、右「学研」の表示を以後継続して使用することを条件としたところ、原告はこれを承諾した。

そして、原田と石川は、互いに商号についての案を出し合ったが、いずれの案も「学研」の表示を含んだものであって、その後本件商号の被告が設立された。被告は、設立に際して設立披露パーティーを行い、右パーティーには、右石川、訴外原正次及び本田技研工業の訴外清水松太郎らが出席したが、その際、本件商号を記載した花輪が飾られていた。

(四) なお、被告は、前記二3のとおり、その商号を短期間「株式会社映像文化社」に変更したことがあるが、その事情は次のとおりである。

被告は、関西電力から受注した映画製作を終了し、撮影料を受領する段階になって、石川から「株式会社学研映像制作室という名称を使用することは原告の経理部が難色を示しており、右名義での請求書では報酬を出すことができない。したがって、今回の撮影料の清算のために短期間でいいから商号の変更登記をしてくれ。」という申出を受けた。原田は、石川から「撮影料の清算のために変えるだけだ。清算が済んだらすぐに、元に返してもらって結構だ。」と説得され、原告の申入れを承知し、商号を「株式会社映像文化社」と変更し、これを使用して、右撮影料の清算を済ませた。そして、被告は、当初の約束どおり、わずか八日間で商号を本件商号に戻したものである。

(五) 以上のように、原告は、自らの申出により、被告に「学研」という表示を含んだ本件商号を付けさせ、被告が本件商号を継続して使用することを認めたのであるから、原告の本訴主張は失当である。

2  原告の主張

(一) 原田は、原告の社員であったわけではなく、原告は、昭和五二年に原田と業務委託契約を結び、原告の映像局製作部産業映像室において、営業及びプロデューサーの仕事を担当させていたにすぎず、昭和五四年七月に、同人と合意の上、右業務委託契約を解消した。

(二) 原告は、昭和五四年八月に産業映像室を廃止したが、これは単なる組織の形態を変更したにすぎず、PR映画の製作自体を廃止したものではなく、PR映画製作は、映像局制作部映画制作室で担当するようになっただけのことである。したがって、被告が主張するように、既に受注を受けていた映画製作を放り出す必要はないし、このことで頭を痛める筈もないのである。このように原告が関西電力とのPR映画の製作についての契約を、一方的に破棄する必要がないのであるから、右石川が、原田に対し、社名に「学研」を含む会社の設立を依頼するわけはない。原告は、関西電力のPR映画について、担当者の途中での交替は望ましくないとの考えから、原田が独立した後も、好意的に営業に関する業務を引き続き委託したにすぎない。

(三) 石川は、原田が被告を設立する際、原田から新しい会社の商号が「映像文化社」であると聞いており、また会社設立の披露パーティーに出席した際も「映像文化社」として出発する旨の挨拶を受けている。また、原田が手掛けたPR映画の増プリント等に関する学研との取引も全て「映像文化社」の名義で行われている。

石川は、原田が本件商号を登記しているとの情報を耳にし、昭和五四年一〇月一一日、原田に対し事実関係を確認したところ、原田は申し訳ないと詫び、直ちに商号を変更すると確約した。このとき立ち会った原告の社員勝呂成之が、原田に対して、商号を変更したという証拠を持ってくるよう要請したところ、原田は同年一一月に商号を「映像文化社」とした登記簿謄本を持参した。

また、被告会社が、昭和五六年に原告に提出した銀行口座振込指定書においても、会社名、口座とも「映像文化社」となっており、被告が、原告に対して商号を秘匿していたことは明らかである。

更に、石川は、昭和六〇年四月一日、原田に対して商号を変更するよう厳しく問い詰めたことがあるが、この際にも、原田は商号を出来るだけ早く変更する旨石川に対して約束している。

(四) 以上のとおり、石川が原田に対し「学研」を含む商号を使用した会社の設立を要請したことはないし、石川が原田に対し設立した会社について「学研」を含む商号を使用することを承諾したこともない。

第三  争点等に対する判断

一  原告が使用している「学研」の表示は、前記のとおり、現在原告の営業であることを示すものとして全国的に広く認識されており、一方本件商号である「株式会社学研映像制作室」中の「株式会社」の部分は、会社の種類を示すものにすぎないし、また「映像制作室」の部分は、各種映画の制作を行う被告の業務内容を表示するものにすぎず他の会社との識別機能をさほど有しているとはいえないから、本件商号は原告の周知営業表示である「学研」に類似していると認められる。また、このような本件商号を使用する被告の行為は、少なくとも、一般取引関係者に対し、原告と被告との間に親会社子会社の関係や、系列関係があるのではないかとの誤認を生じさせ、営業上の施設又は活動について混同させる虞れがあるものと認められ、このことによって原告が営業上の利益を害せられる虞れがあると認められる。

二  そこで、本件の争点について、判断する。

以下のとおり、本件全証拠によるも、本件商号を被告が使用するについて原告が依頼ないし承諾したとの被告主張事実を認めることはできない。

1  被告は、原告において映像局の映像システム事業部を廃止することは決めたものの、既に関西電力から受注していたPR映画の製作を途中で放り出すわけにいかず、その処理に頭を痛め、そのため原告の映像システム部部長であった石川茂樹が、その頃原告を辞め新会社を設立することを計画していた原田に対し、「学研」を含む社名の会社を設立し、その会社のもとで、右PR映画の製作を行ってくれるよう頼んだと主張し、乙第二号証にはこれに沿う記載部分が存し、また被告代表者もこれに沿う供述をしている。

しかしながら、成立に争いのない甲第一二号証、第一六号証の一ないし二一、弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる甲第二五ないし第二八号証、証人石川茂樹の証言によれば、

(一) 被告代表者である原田英男は、昭和五二年二月ないし昭和五四年八月の間、原告の映像局の映像システム部の業務に携わったことがあるが、正式な社員としてではなく、業務委託契約に基づいたものであり、その担当分野は、営業業務を主とし、場合により制作業務を行うものであった。

(二) 当時原田の上司であった映像システム部長の石川茂樹は、原田が独立する際、同人から設立する新会社の事業内容を聞き、これを了知していた。

(三) 原告は、昭和五四年八月頃、原田が原告から独立する際所属していた映像局映像システム部(一時期「産業映像室」と称されたこともある)を組織改編により廃止したが、映像局における映画の製作自体を中止したことはなく、同部を廃止した昭和五四年の前後を通じて、一貫して、各種団体からの依頼に応じて映画を製作し続けており、そして製作した映画を、学習研究社映像局の名で、社団法人映像文化製作者連盟に作品登録している。

(四) 原田が営業を担当していた関西電力株式会社のPR映画「森をつくる」は、原田が原告から独立した後も、原告の社員の手により引き続き製作されて完成し、他の作品と同様学習研究社映像局の名で、社団法人映像文化製作者連盟に作品登録されている。

(五) 原告及び原告の子会社である学研クリエーティブ株式会社は、被告設立の約一年六か月後の昭和五六年三月に、右原告らの取引先その他関係者に対し、「昨今私共(株)学習研究社映像局(学研映画)ならびに学研クリエーティブ(株)と非常に紛らわしい『(株)学研映像制作室(代表者原田英男)』という会社が設立されまして、私共両社とは全く関係のない営業活動を展開しており、多くの混乱を招いております。同社の社名については、業界や関係者各位に営業主体の誤認や混同を生ぜしめる恐れがあるので、私共は同社に対し再三社名を変更するよう説得し、かつ要請してきましたが、原田英男氏は結局ご承諾くださいません。・・・・どうかこの点においてお間違いのないよう、くれぐれもご注意くだるようお願い申し上げます。」との内容の文書を配付している。

(六) 原告の映像局には昭和五〇年三月現在で、映画制作課、映像出版室、映像システム部の中に第一制作室ないし第三制作室との名称の部署が、昭和五三年九月以降、映画制作室、産業映像室、映像出版室との名称の部署が存在した。

以上の事実が認められ、これらの事実に、前記当事者間に争いのない、被告が各種産業映画、ビデオ、スライド、テレビコマーシャルの企画制作、録音テープの企画制作、出版物の企画制作等を目的として設立された会社である事実を合わせ考えると、原告は映像システム部を廃止した後も引き続きPR映画等を製作しているのであるから、原告において、原田の設立する新会社における本件商号の使用を依頼ないし承諾しなければならない理由はないし、原田は、業務委託契約に基づき二年数か月間の営業業務を中心に原告で稼働していたにすぎないものであって、原告とさほど密接な関係を有していたわけではなく、しかも被告は原告の事業内容と同一の事業を営むことを予定していたものであるから、このような被告に対し、原告の周知営業表示と前記事業部署に近似する名称とを合わせた本件商号の使用を許諾することは到底考えられず、前記の被告主張に沿う乙第二号証中の記載部分及び被告代表者の供述は採用できないといわなければならない。

2  被告代表者の作成した報告書である乙第二号証には、原告の映像システム部の部長である石川が、被告代表者の原田に対し、被告の設立当初本件商号の使用を承諾しながら、その七ないし八年後に本件商号の変更を求めた理由について、「実は、君の会社は潰れるだろうと思った。」と説明した旨の記載部分があり、被告代表者の供述中にも同旨の部分が存する。

しかしながら、仮に原告において「学研」の表示の使用を承諾し、そのうえで「学研」の表示を使用した会社が設立後間もなく倒産すれば、原告自身の信用を失墜させる危険性が大きいことは明らかであるから、設立後間もなく倒産するであろうことを予期して、「学研」の表示の使用を承諾するということは到底考えられないことであって、右記載部分及び右供述部分は採用することができない。

3  被告は、商号を一時的に「株式会社映像文化社」に変更した理由について、原告の映像システム部の部長である石川が、一旦本件商号の使用を依頼ないし承諾したものの、後になって、経理部との関係で問題が生じるので本件商号を一時的に変更するよう申し入れてきたことから、原田はこれに応じて、一時的に右商号に変更し、その後、また本件商号に戻したものであると主張し、乙第二号証や被告代表者の供述中には、これに沿う部分が存する。

しかしながら、被告主張のように、石川が原告の経理部との関係で本件商号の使用が好ましくないと言ったのであるならば、石川は、そもそも原告の経理部等他の部門に内密に、本件商号の使用を承諾する旨の発言をしたといわざるをえないが、仮に被告主張のとおり本件商号の使用承諾の経緯が関西電力の前記PR映画の新会社における製作継続というのであれば、他部門に内密にしなければならない理由はなかったというべきであるし、また、仮に石川が原田に対し、経理部との関係で本件商号の使用が好ましくないと発言したものであったとしても、被告としては、経理部との関係においてのみ本件商号を使用しなければ済むものであって、商号の変更登記手続まで行わなけれはならない理由はなかったというべきであるから(成立に争いのない甲第一一号証によれば、被告は、登記簿上「株式会社映像文化社」から本件商号に戻した後も、経理処理の関係で「株式会社映像文化社」を使用している事実が認められる。)、石川が原田に対し前記のような申入れをしたとの乙第二号証の記載部分や被告代表者の供述部分は、採用することができない。

この点に関し、証人石川は「被告設立パーティの二、三か月後、被告が本件商号を使用しているのを知り、原田に使用中止を要望したところ、原田は止めると断言した。そのとき同席していた経理担当者が原田に対し商号変更の証拠を要求し、その後被告から登記簿謄本が届けられた。またその後の被告からの連絡は全て『株式会社映像文化社』でなされていたので、この問題は片付いたと思っていた。昭和六〇年になって、被告が再度本件商号を使用しているのを知った。」旨証言しているところ(石川証言六七ないし八四項)、右証言は、内容自体自然であるし、また前記甲第一一号証、成立に争いのない甲第一七、第一八号証及び弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる甲第一三号証の記載に照らし、信用することができ、これらの証拠によると、被告は、原告から本件商号の使用中止の要望及び商号変更についての証拠の提出の要求を受けて、一時的に「株式会社映像文化社」の商号に変更して、その旨の登記手続をし、そしてその後再び本件商号に戻したものと認めるのが相当である。

4  証人清水松太郎は、「原田から『原告から独立するに際し、本件商号を提案したところ、上司から理解が得られた。』旨聞いた。」旨証言をなしているが(清水証言四八項)、右証言は、被告代表者である原田から受けた説明をそのまま述べたにすぎないものであるから(なお、清水証言九二項)、この証言によって本件商号の提案について上司から理解を得られたとの事実を認めることはできない。

また、証人森井政司は、「以前株式会社学研クリエーティブで勤務していたことがある。同社に勤務していた際、被告が、本件商号を使用するについて、原告のトップが了解しているようである、と当時学研クリエーティブの専務であった神林から聞いた。」旨証言しているが(森井証言七、七三ないし七五項等)、右証言は単なる伝聞にすぎず、その根拠も明らかではなく(同証言一七六ないし一八七項)、かえって同証人は、その後「被告に学研の名称の使用を中止してもらうか、関係会社に対し原告は被告とは一切関係がないとの文書を出すべきであると神林専務に提案した。そして、その趣旨の文書が作成され、関係会社に送付された。」旨証言し、この部分は弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる甲第二七及び第二八号証及びこれらにより真正に成立したと認められる甲第二六号証の各記載に照らし、十分信用することができるというべきである。

5  その他右認定に反する証拠は採用せず、他に被告主張の抗弁事実を認めるに足りる証拠はない。

第四  結論

以上のとおり、原告の「学研」の表示は営業表示として全国的に周知であって、これに類似する本件商号を使用して映画製作等の事業を行っている被告の行為は、原告の営業活動と混同を生ぜしめるものであり、これにより原告は営業上の利益を害せられるおそれがあると認められるところ、被告が、本件商号を使用するについて原告の承諾を得ていた事実を認めることはできないから、原告の本訴請求は理由がある。

(裁判長裁判官 一宮和夫 裁判官 足立謙三 裁判官 前川高範)

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